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◎大学発明を支えるリクルート社のアソシエイト 第六回

(4)魂の伝承

初代のディビジョン長に就任した山本氏は、その直後の2000年7月に

東京大学TLO(CASTI)社長に転身した。

しかし、現ディビジョン長の原氏を始めとして、山本氏の技術移転への熱い想い、

魂は確実に伝承されている。

伝承されているという自信があったからこそ、山本氏の転身も可能だったのだろう。

なお、山本氏は東大出身ではないし、CASTIへの転職によって

リクルート時代よりも収入が減ることも分かっていた。

リクルートに残っていれば、ディビジョン長としての地位は保証されており、

仮に事業の失敗などによってTMDがなくなっても

リクルート社内の他の部署へ移るなどの方法によって職は確保されたであろう。

自己実現のために人生のリスクへチャレンジしたのだ。

「日本全体を変えるには東大からのトップダウンが早道」

という彼の選択に、私欲は感じられない。

「滅私奉公」といった言葉は、彼には似合わないと筆者は思うが、

「技術移転で日本を救いたい」

という熱い想いが彼をチャレンジさせたことは間違いないと確信している。

(なお、もっと客観的な情報については、「TLOとライセンスアソシエイト」第11章を参照してください。)

 →第七回