(7)技術移転の具体例
横浜国立大学の森下信教授が開発した「複雑系を使ったシミュレータ」は、
リクルート社における最初の移転実績である。
このライセンス先には、駐車場の渋滞シミュレーションを行うことを目的として、
商業施設の施工管理会社にライセンスされたのであるが、
もうひとつのライセンス先として、JR東日本企画という広告代理店があったことを取り上げたい。
「複雑系を使ったシミュレータ」によって駅構内の人の流れをシミュレーションし、
駅構内の看板の値決めをするのに使いませんか、
という事業提案に踏み込んだのだ。
単に、「こういう発明、要りませんか?」というスタイルではないのである。
大げさに言えば、「用途発明」を案出してから営業しているのである。
「アソシエイトはフットワークが命」と前記したが、
力づくのフットワークではなくクリエイティブな企画営業なのである。