論文試験の勉強を始めると、基本問題を用いて「パターン」を学ぶことでしょう。
「定義、趣旨、内容」とか、「定義、趣旨、要件、効果」などです。
どうしてこのパターンが良いのでしょうか?
「皆がこのパターンで書くから、外れたパターンを採用すると試験委員が読みにくいのだ」
という予備校講師の回答に納得しきれなかった記憶があります。
この疑問を抱えて、司法試験受験生と議論したり、
司法試験向けの講座を受講していた時期があります。
あるとき、「割り切り」ができました。
司法試験では、「総論、各論」というパターンが多いそうです。
「総論」が弁理士試験で採用される「定義、趣旨」に該当し、
「各論」が「内容」や「要件、効果」に該当します。
「総論」を「抽象論」、「各論」を「具体論」と置き換えることは、
概ね誤りではありません。
何かに似ている!
そう、特許明細書における「特許請求の範囲」と「明細書」の関係にそっくりなのです。
このことを掴んでからは、
論文はパターンに当てはめるべし!
という鉄則に対しての疑問は封印しました。
弁理士の主たる業務のひとつが特許明細書の作成である以上、
論文試験の勉強を仕事に活かし、仕事を通じて試験準備を強化することができる。
相乗効果を実感できる合理的な試験である、と今でも思います。