弁理士試験:一次試験に落ちてしまった方へ 2006.5.24 的場成夫
【序論】
今回読んでいただきたいのは、一次試験に対して、
『今年はまあ、様子見のつもりだったから。』、とか、
『ちょっと無理だと思っていたけど、やっぱり無理だった。でもイイ線まで行けたから、
来年には大丈夫だと思う。』といった感想を持たれている方に対して、
お節介の文章を書いてみます。
【本論】
(1)二次試験までは圧倒的な差が付く時期
一次試験を突破した受験生は、二次試験まで真剣に勉強します。
そして二次試験で落ちてしまった方は、来年またライバルになるのです。
一次試験と二次試験とでは勉強の仕方がまるで違うのですが、
必須科目をある時間、真剣に勉強したということは、
たとえ二次試験で落ちてしまっても大きな財産として残ります。
そうした財産を持つ受験生が次の年にライバルとなる、
ということを真剣に自覚しなければ、最終合格は延びてしまう確率が高まってしまいます。
(2)初めて一次試験に合格できる確率とは
二次試験で落ちてしまった方は、来年またライバルになるのです。
加えて、一次試験に合格したという経験のある方は、合格のコツを掴んでいることが多い。
とすると、一次試験で不合格となってしまった受験生が全員、翌年の一次試験に合格すると、
仮定してみましょう。
すると、初めて一次試験に合格できる人数は、二次試験を合格できた人数に等しい、
ということになります。
とすると、初めて一次試験に合格できる確率は、どれくらいですか?
(3)前記(2)の仮定は非現実的か
『一次試験で不合格となってしまった受験生が全員、翌年の一次試験に合格する』
という仮定が暴論なのだ、という反論もありましょう。
現実に、昨年は一次試験に合格できたのに今年は不合格だった、という受験生もいるわけです。
しかし、一昨年は一次試験に合格で昨年は不合格、
というリベンジ成功受験生がいることを考えれば、そんなに外れた数値ではないと思うのですが・・・
なお、合格そのものを諦める受験生は、一次試験に合格したことのある人よりも
一次試験に合格したことがない受験生の方が圧倒的に多い、
ということも補足したいと思います。
【最後に】
『今年は様子見』、『来年には大丈夫。』といった台詞は、
自分も最初の受験日の夜、受験仲間と呑みながら心の中でつぶやきました。
しかし、翌年も不合格でした。
また合格後も、『今年は様子見』、『来年には大丈夫。』といった台詞を口にした受験生が
翌年も不合格になる姿を、たくさん見てきました。
「真剣に不合格」となってからが本当のスタート、かもしれません。
人間は、持つべきではないプライドをなかなか捨てることができない生き物、のようです。