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◎大学における知財教育 第十三回

(4)大学教員と学生

産学連携、大学発ベンチャーなどに成果を上げている大学には、
民間出身の教員、メーカ企業の技術畑出身の教員が多い、と感じます。

メーカ技術者出身の教授に指導されているという
物理学科の学生の一人と話をする機会がありましたが、
彼はIPDL(特許庁がインターネット上で提供している無料の知財検索サイト)を使っての
特許検索を日常的に行っているとのことでした。

理工系の大学生全てが卒業研究テーマについて特許を検索するのは当たり前、
というようになれば、知財教育の未来は明るい。
これは確信しています。

特許検索をすれば、周辺の技術に明るくなったり、アイディアについての刺激を受けたり、
どのような会社がどんな技術を研究しているかといった社会勉強になったりと、
どんどん伸びていくからです。

彼と話をしてみて感じましたが、特許検索からの刺激、
パワーを受けた学生が力強いことといったらありません。
質問する一言にも、その深さや真剣さが感じられました。

ただし、一般論として、知財に限らず色々な学問や研究テーマが多数存在する以上、
特定のテーマがある学生、ある教員の琴線に振れる(共振する)という確率は低いとも思います。
知財という分野に反応した伸びる学生を伸ばし育てる一方、
知財にはピンとこないという学生には
別の個性を育てて別の道を歩んでもらったほうがよいのではないか、
という考えもあるかも知れません。

なお、大学によっては知的財産制度を必須科目として履修させ、
全ての学生に身につけてもらおうとするところも出てきているようです。

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