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◎大学発明を支えるリクルート社のアソシエイト 第五回

(3)人と人とをくっつける

外部の人に分かりやすく表現するため、

リクルート社のTMDは、「技術を仕入れ、加工し、販売するのが仕事である」と言っている。

この仕事のキャッチフレーズ(コンセプト)として、山本氏は「お見合いのおばちゃん」と呼んでいた。

外から見たら、「技術の移転」であろうが、仕事の本質は

「人と人とをくっつけるということ」という意味だ。

この本質をついた言葉が、多くのTLOや技術移転の成功の鍵を握っているのではなかろうか。

「人と人とをくっつける」という仕事は、間に立つお見合いのおばちゃんが

自分を「買ってもらう」ところから始まるであろう。

技術や理科系のバックグラウンドよりも大切なのは

「双方から信頼されること=本質的な営業力」

であるということは、経済学部出身の山本氏が移転成功事例によって身を持って証明している。

なお、TDMのライセンスアソシエイトの一人である伊原智人氏は、

「技術の仕入れ、加工、販売」について、

「アソシエイトは、大学の先生が作成した発明や技術(原作)を、

誰をターゲットとし、

どのような場所で、

どのような役者をどのような形で使うのか、

といったことを組み立てていくシナリオライターである。」

という言い方をしていた。

よいシナリオを書くために、原作を預けてもらうための信頼関係構築、

キャスティングのための人脈や説得への誠意などが必要であろうことは、想像に難くない。

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