私は、主人を守るのが仕事だ。
道や地面から、冷たい雨から、ゴミや小石から、時にはほかの仲間たちから、主人を守る。
私は、一人の主人に仕えている。
主人に馴染むために、最初にちょっとだけ苦労する。
主人もちょっとだけ、苦労する。
主人が休む夜は、私も休める。
今はだいたい一日おきに主人のお供をしている。
私の仲間が増えた。主人のフィールドが広がったのだ。喜ばしい。
また増えた。主人の趣味が増えたのだ。嬉しい。
また増えた。季節が変わったのだ。楽しい。
私に似た、でもグレードの高い奴がやってきた。ちょっと嫉妬する。
私は引退なのか?
主人から暫しの休暇をもらった。
リフレッシュ休暇だ。良かった、引退じゃない。擦り減った自分が蘇る。
えっ、私の名前?
申し遅れました、「靴」と申します。
主人が「ビジネス」というフィールドに出るときにお供させていただいております。