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◎大学における知財教育 第二十一回

(4)要望される知財テーマの多様性

産業財産権法を○単位、というように、年間カリキュラムに組み込まれた場合には、
基礎的な法律論と、典型的な事例、判例の紹介や研究が中心となっていることでしょう。
(こうした立場の論者は、この特集号に多くおられると思います。)

一方、単発的な特別講義や、課外授業においては、
かなりの準備が要求されるテーマであることが多くなります。
前述したように、「知財制度の基礎」といったテーマは既に行き渡っているからです。
近年では、学生さんや若い社会人が独自のネットワークで知財の勉強会を運営しています。

私が見聞きしているだけでも、「知財マネジメントについて」、「創造性と特許制度」、
「知財の財産性、流通性について」、「技術標準と特許制度」といったテーマが、
種々の大学や勉強会から要望されています。

テーマに近い専門委員会が存在すればよいのですが、
各種の専門委員会でも対応できないようなテーマでの講義も要望されるようになるでしょう。
しかし、こうした多様化する要望に、次々と応じていくタフさがないと、
弁理士はビジネス界から(学生からも)バカにされることになるでしょう。

なお、こうした『要望される知財テーマの多様性』に挑戦することは、自分を高めるチャンスです。
大学からの要請ではありませんが、私自身、「知財戦略とは何か」、「強い特許の創出法」
といったテーマのセミナーを担当させていただく経験を通じ、視野を広げることができました。

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