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◎知財コンサルティングに関する考察(3)

理論よりも実践、現場体験を大切に考えている
(百聞百見は一行に如かず=百回の見聞きよりも一回の行動を大事に、という的場のスローガン)ので、
継続的にシンクタンクやコンサルティング業の現場を体験したり、
様々なコンサルタントに会ったり、彼らの勉強会に参加したりしてきました。

(1)会社の設立趣旨

「発明」という言葉に夢を感じて飛び込んだ特許事務所業界では、
弁理士試験勉強を始めた直後に「改善多項制」が始まり、
出願の数から質への転換を官民そろって目指し始めた時期でした。

しかし、実務で接する発明の現場では、
相変わらず「いくつ出すのか?」が重視されているように感じていました。

企業側もライバル他社よりも出願している、といったことが評価されているようでした。
特許事務所は、「出願してナンボ」の業界であり
「数から質へ」に対して本気になるとは思えない、と気づくのには時間は掛かりませんでした。

そして、出願内容の充実、効率的で孔の少ない出願戦略、といったことに目が向き始めました。
また、運良く「プロジェクトの出願戦略立案」や「特許マップ作成」を体験させてくれる
師匠に指導を受けることもできました。

しかし、特許事務所という組織の維持には、どうしても出願の数の確保が必要です。
「特許事務所」を名のっている以上、どうしても越えられない壁に思えました。

そこで、出願の効率化というアウトプットと出願数に依存しない報酬体系を目指し、
有限会社(夢屋)を設立しました。
そしてその半年後、勤務していた特許事務所を辞め、現在に至ります。

弁理士登録は、
特許事務所に勤務する弁理士
特許事務所の経営者たる弁理士
他社の代理人にならない社内弁理士、という三種類しか認められていません。

そのため、独立時には的場特許事務所を設立しましたが、
自分の軸足は前述した会社に置きながら活動しています。

脱線しますが、「知的財産環境の将来像」を考えた場合、
弁理士の活動範囲に自由度を与えるためには、前記した三種類の登録先だけではなく、
もっと多彩な登録形態が認められても良いのではないか。

これから弁理士登録される方々のためにも、そんなことも考えています。

続く