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◎知財コンサルティングに関する考察(11)

(4)テクノロジーライセンスの代理業

就職・転職情報の提供を事業ドメインの一つとしているリクルート社に、
大学から企業への技術移転の専門部署が存在することをご存じの方も多いかと思います。

この部署では、前述した「仲介業」ではなく、
大学側(実質的には大学教員個人)の代理人として動いています。
大学側にスタンスを置くこととしている理由は、
『大学の先生に信頼してもらえないと技術は移転できない、
技術は人間に付随しているモノだから』とのことです。
(大学サイドが企業の組織力に対抗するためなどの理由もあるそうですが。)

参考資料
   http://www.nagoya-cu.ac.jp/jimu/kenkyutop/sangaku/16-3-3p.pdf

大学の先生の信頼を得ることが仕事の第一歩であるから、
技術的なバックグランドよりも「コミュニケーション能力」のほうが重視される、ということです。
いわば「営業マンのセンス」が要求されているようです。

なお、この部署を立ち上げた山本貴史氏(東京大学TLO社長)にはたびたびお会いしていますが、
彼に対して、「技術移転やら特許流通の世界で『本物(人物)』を見分けるにはどうしたらいいか?」
と質問したことがあります。

彼の回答は、『本物であるためには、「(内外に対して)わかりやすい言動をしていること」と
「人(社内の後継者)を育てていること」の二つではないか』と即答されました。
この言葉には、非常に合点が行きました。

この二つのフィルターを使えば、「知財バブル」を煽る人と
「知財立国」に真剣に懸命に取り組んでいる人との篩い分けができそうだ、と思いました。
同時に、自分自身を反省させられましたが。