(3)専門職ゆえのジレンマ
知財は専門性が深いために、会社での人事異動が極めて少ないようです。
特許事務所という職場も同様です。
専門性を高めることがクライアントへのお役立ちの近道であるため、
ある会社やある技術の担当になると、異動が少ない。
ところが、そうした職場環境ではが、視野の狭いアウトプットに陥っていきます。
数少ない大きなクライアントに依存した特許事務所では言うまでもありません。
視野狭窄となっていることの自覚症状がないことや、
視野狭窄に陥ったことに対して危機感を覚えない環境が、
最大の問題点かもしれません。
頻繁に変わる法律や審査基準、判例や外国での法改正などまで
日々追いかけざるをえない仕事に携わっていると、
自らの環境を変えることに対する意欲も薄れてしまうということもまた現実ですが。