(7)大学等の知的財産支援活動
10年ほど前より大学からの技術移転、特許流通に興味を持ち、
個人的に情報収集活動をしてきました。
また2年前までは、日本弁理士会の知的財産支援センターでの運営委員に任命されました。
私が現在所属する第二事業部では、
地方の大学や企業、ITベンチャーなどの支援を行うためのセミナー企画、
運営などの活動をボランティアとして経験させていただきました。
この活動では、特許や商標などの基礎的な知識を
セミナーやグループ演習を通じて体得していただくことを、主な目的にしています。
セミナーなどの講師を自ら行うことが仕事ではなく、
その企画、運営などの事務局側の仕事ですが、
現地に出向き、現地での運営事務局と打ち合わせをさせていただくことが少なくありません。
そこで感じるのは、大都市と地方との温度差や、
独立色の強い地域と中央依存体質となっている地域との差です。
こうした現場体験を抜きに、知財立国という構想が現実化するだろうか。
大都市にばかり集中していてこうした実態を知らない弁理士に何ができるのだろうか、
と感じざるを得ません。
東京などの都市部の弁理士に、
少しずつでも現場体験が伝達されることを願っています。
知的財産支援センターでの活動では、
『支援活動を通して、「ボランティアの神髄」に触れることができる』
ということを弁理士会の支援センターだよりという広報誌の中で広報させていただきました。
一見すると「与える」という活動ですが、
その活動を通して与えられ、学ばせていただき、社会貢献の喜びを感じることができます。
こうした喜びは、
「分けたら減ってしまう金銭」と全く逆の性質のよろこび(こちらは「悦び」の字が相応しいのか?)です。
言うなれば、『分けたら増える、伝染するような性質を持った喜び』であろうと思います。