私がパテントマップ(特許マップ)という言葉に出会ったのは、十数年前でした。
「そうか、特許の地図か。
たくさんの特許がひしめく技術領域では、地図が必要だろうからなあ。」
と素朴に感じたことを覚えています。
初めてパテントマップの作成に携わった12,3年前は、
半官半民の会社が運営する特許データベースを
「パソコン通信」でしか利用することができず、
「利用料金が世界一高いデータベース」 と揶揄されていました。
その頃読んだ本の中で見つけた言葉に、期待していました。
均質化した情報の価値はゼロに近づく
現在では無料のデータベースも充実し、
有料のデータベースは非常に使い勝手がよくて、利用料金も格安になりました。
十年前と現在との大きな違いは、
1)特許データの電子化の進展
2)調査コストの激減
3)マップ作成ソフトの充実
などが挙げられるでしょうか。
さらに10年が経ったら、どのような情報コストがゼロに近づくのでしょうか?
どのような付加価値をつけた情報が、高い価値を維持できるのでしょうか?
これをじっくり考えることは、パテントマップ作成の本質、
ひいては特許に関わるサービス業の本質に繋がっているはずです。