産業財産権を勉強した後に、著作権法を勉強すると、
色々な違和感を感じるのは、私だけではないでしょう。
著作権法には「登録制度がない」ということを、
最初の段階で学ぶのですが、頭で理解してもなかなか実感ができないことが
一つの原因ではないでしょうか。
たとえば、発生した著作権が存在するかどうかは、
他人との関係が後に発生しない限り、自分以外の第三者には無関係です。
一方、特許法であれば、出願書類の作成において「創作」を客観化し、
出願公開を通じて客観的な存在となる。他人との関係が発生しなくても
存在が明らかになるのです。
特許公報が出れば、「ここは立ち入り禁止区域ですよ」というお知らせが
なされることと同じです。
一方、たとえば、私がある写真(スイカを切って並べた構図)を撮影したとする。
自分では撮影した時点で、著作権が発生している、と考えることはできます。
しかし、自分以外の第三者によって同じような写真が撮られたことを、
私が認識しない限り、著作権はその存在を意識させない。
「絶対的存在」と「相対的存在」との違いを実感することが
著作権法を学ぶ最初の壁のような気がします。
→ 参考 : 知財紛争トラブル100選 コラム22
(他人の写真の複製)