Z弁理士は、A社の社長に電話をかけた。
「B店が有名になりつつあるとのことですので、
商標法4条1項10号か15号で拒絶される可能性があります。
したがって、出願することはお勧めできません。」
「拒絶される可能性がある、ということは登録される可能性もある、ということだろ?」
社長はZ弁理士の痛いところを突いてきた。
「インターネットで調べてみたが、B店はひとつの商標も持っていないんだ。
だから、我々が取得してしまって、B店の営業区域を奪いたいんだ。」
「いや、しかしですね。B店の営業にマイナスを与える意図のある出願ですから・・・」
「何を言ってるんだ! あんたらは、俺の味方のはずだろう?」
「いえ、不正競争行為の片棒を担ぐわけにはいきませんので・・・」
「なんだとぉ? お前たちは俺が儲かるように出願とかの仕事をすればいいんだ!
不正競争とやらにならないように、登録できるように考えるのが仕事だろうが!」
とんでもないことになってきた、とZ弁理士は背筋が寒くなった。
どうすればいいんだろう・・・