現在のレンタカーには、カーナビは当たり前のようである。
慣れない手つきで「夕張」と設定したが、夕張のどこに行けばいいのか分からない。
(どこに行こうという目標もない。)
ひとまず、メニューに出てきた「夕張市役所」を設定し、アクセルを静かに踏んだ。
カーナビがある代わりというべきか、ラジオがない。
しかし、カーナビからの音声指示は頻繁、かつ的確で、道路標識を見る必要もなく、
順調に孤独なドライブが続く。
高速道路の終点に至ると、900円を支払って、空いている一般道に出た。
高速道路も終点だったが、夕張駅もJRの終着駅である。
途中、いくつかのJR駅の駅前交差点や駅入り口を通過するが、
駅前とは思えない静かさ(寂しさ)である。
ほどなく夕張市役所に着いた。
空港のレンタカー基地(空港からは10分程度)から1時間弱である。
市役所は、節電のためか薄暗く、拝借したトイレも消灯されていた。
(使ったら電気を消すこと、という注意書きが痛々しく感じた。)
階段(「再生の階段」とかいう名前が付けられていた)には、たくさんの色紙。
歌手の大橋純子さん、スポーツキャスターの松岡修造さん、・・・
みな、夕張への応援メッセージが添えられていた。
市役所の窓口の隅のほうには、夕張市の人口が表示されていた。
1万2千・・・
炭鉱都市として栄えた頃には、10万人を超えていたと、どこかで読んだが・・・