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◎公的機関の出す資料(1)

公的機関が主導する中小企業の知財支援事業に関わっていて気づいたことです。

支援事業が終了すると、成果物として支援事業がどのように行われたのか、
という公開を前提とした報告書を作成することが常となります。
税金を使っているのだから、その成果は公にならなければおかしいということです。

この報告書作成に関わって感じたのは、

   「広く一般の人に分かるように」という義務に縛られて、
   結局「一般の人に分かりにくい抽象的な表現」に抑えられてしまうという矛盾

です。

一般の人に分かりやすい事例に置き換えて表現することが一番なのですが、
その作業には比較的高度な能力が要求されます。

第一に、専門家でなければならない。
第二に、一般の人の目線を持っていなければならない。
(専門家である自分が理解できる表現であっても一般には分かりにくいだろうな、
という想像力が働かなければならない)。
第三に、極めて分かりやすい比喩表現を思いつく閃きの能力や、
それを図やテキストデータにアウトプットできる表現力がなければならない。

こうした能力の必要性を、色々な公共機関が感じ始めている、
ということは何となく感じるのですが、まだまだである、とも感じます。

「まだまだ」であるうちは、専門家の生きる道が残されている、
ということでもありましょうが。