弁理士を目指していた頃、私は「人に接する」ということが少ない職業、
と勝手に考えていました。
だから、人に接するのが苦手な自分に合っている、と思っていました。
たとえが適切なのかどうか、分かりませんが・・・
料理は得意だけど、接客が苦手な調理師を目指す自分なら、
仕事は厨房でのみすればいい、
と考えていたのです。
「職人」という言葉の響きに、あこがれ、勝手なイメージ、先入観を
持っていたのです。
しかし、知財実務は、人と接することが基本であり、それをことあるごとに実感しました。
厨房に籠もっていることはできない仕事だったのです。
正確に言えば、その頃の職場には、「厨房に籠もっていられる仕事」もありました。
しかし、その職場では弁理士の資格を持たない人(持てない人)の仕事、と
位置づけられていたのです。
弁理士資格の取得を目指していた自分としては、そのことを言い訳にしたくなかった。
消極的な選択をしてはいけないと思ったのです。