「S先輩、以前、私の同級生Rが就職したY社についてちょっとご相談が・・・」
「やあ、T君、Y社って、今も伸び盛りだよね。社長のNさんの強引さは凄いからな。
ところで、Rさんって、そのNさんの秘書だっけ。」
「ええ、そうなんです。実はそのRが先日、Y社を解雇されまして・・・」
「えっ、どうしてまた?」
「実はそのN社長によるセクハラが原因らしいんです。
なんでも、アフターファイブにも付き合え、といった業務命令っぽいことで、
Rは嫌な思いを何度かしたらしくて。」
「それで、そういう誘いを断ったら解雇ってことかい?」
「その通りです。『明日から来なくていい』って言われたらしいんです。
それって不当解雇ですよね?」
「事実ならばその通りだね。それで、Rさんはどうして欲しいのかね?
セクハラ訴訟となると、あまり良いこと無いよ。」
「どうしてですか? 裁判でもしなくちゃ、ああいうワンマン社長は分からないですよ!」
「Rさんは、Y社に戻りたいわけではないんでしょ?
大企業ならともかく、Y社みたいな会社はN社長が社長だから何とかなっているんだし。」
「もちろん、RはY社に戻りたいとは言っていません。
でも、良いこと無い、ってどういうことですか?
会社を辞めさせられて、履歴書にも傷が付いて、慰謝料でも取ってあげたいと思いませんか?」
(2008年7月作成)