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◎ベンチャー企業とセクハラ(2)

「T君、セクハラ訴訟って、面倒で大変なんだよ。
 第三者がいない密室で、セクハラ行為があったのか無かったのか、を争っていかなくちゃならない。」

「ああ、そうか、向こうは『セクハラなんてしていない』と言うに決まってますしね。」

「その通り。そうした裁判が大変なだけじゃなくて、
 次の就職先を探すのにも、日本ではプラスにならないんだ!」

「えっ、どういうことですか?」

「セクハラ訴訟の原告になったことがある、という女性を、是非雇いたいという会社と、
 できれば遠慮したい、という会社と、どっちが多いと思う?」

「・・・なるほど、そういうことなんですか。」

「残念ながら、日本という社会というのか会社というのか、そういう所だから。
 だから、私は会社法あたりを得意分野にしているけれど、セクハラ訴訟はお薦めしないんだ。」

「何だか、Rにとっては踏んだり蹴ったりの話ですね、何も悪いこと、してないのに・・・。」

「そうなんだ、可哀想だけど、次のことを考えると『泣き寝入り』が良い、なんていう
 とんでもないアドバイスになっちゃうんだ。ゴメンな、力になれなくて。」

「いえ、先輩も何も悪いこと、していないじゃないですか。
 勉強になりました、ありがとうございます。」

「じゃあ、Rさんに、『元気出して!』と伝えてくれや。」

(2008年7月作成)