「意匠は、見本を添付して出願できるじゃないですか!それはなぜですか?」
特許出願では見本の提出が認められないのに、意匠はなぜ良いのか?
これは、意匠法における意匠が
物品の形状、模様、色彩またはそれらの結合であって、
視覚を通じて美観を生じさせるモノ
と定義しているからです(意匠法2条1項)。
このように定義された実体は「書面」での特定が可能であるけれども、
書面で特定するよりも、見本の方が適切な場合、見本でないと特定できない場合、
などがあるから。
意匠については、どのように定義するか、本質を探究して出来上がったというよりも、
法運用上、合理的であろうという定義をし、
そこからスタートさせている、と考えられます。
特許発明の権利範囲を考える際に「特許発明との類似」という概念はなく、
登録意匠には、権利範囲を考える際に「登録意匠の類似範囲」を考えざるを得ないのは、
この辺りに理由があります。
論文試験でも、この辺りの理解が問われる問題は非常に多いので、
時間が掛かってもじっくりモノにすべきと思います。
(2008年9月作成)