試験合格直後、私は弁理士登録をすることに躊躇していました。
弁理士試験の合格者であっても、弁理士としての仕事ができるレベルに達していない、
と確信していたからです。
結局、合格発表から1ヶ月後くらいには弁理士登録の手続きをしたのですが、
先輩方から異口同音にお聞きしたことは、
一人前になったら登録するとお前は言うけど
登録しなかったらいつまでも一人前にはなれない。
一人前になれないから、いつまでも登録できないぞ。
ということでした。
試験合格と実務とは全く次元が違う、という意識が強かったことだけを
「登録しないこと」の理由としているフリをしていましたが、
今振り返ってみると、
「責任を要求されない仕事」をユルユルやっていたかった、
という甘えが自分の中にあったのかな、と分析します。
その頃の自分が「正社員か派遣か」という選択に迫れていたとしたら、
「資格」という形は持っているけど、責任ある仕事はしたくない
だから、正社員ではなくて派遣がいい
というように、積極的に「派遣」を選択していたかもしれません。
そんな「責任逃れ」をしようとしていた時代が、自分には存在していたなあ。
社会問題化している「派遣労働者の契約切れ」について、そんなことを考えました。
(2009年1月作成)