大学院での講義を終え、一人の学生さんが質問にやってきました。
講義資料として配付した2つの参考事例について、でした。
いずれの参考事例も、判例を要約したものだったのですが、
質問の趣旨は、「2つの判例で結論が反対ではないか」
ということでした。
一通りの説明をした時に、その学生さんに対して非常に気になったことが
ありました。
その事例の事態を想像してみる、という力が不足している、
というか、想像することを拒絶するような姿勢が見られたことです。
もう少し具体的に説明します。
いずれの判例も著作物に関する物販やサービスに関する事例だったのですが、
私の説明に対して、
私は、そういうモノを買ったことがないから分からない!
そのサービスも利用したことがないから分からない!
と、いちいち返答するのです。
知的財産の勉強を進めていく、という場合に、
(一般的な)想像力は、重要なのだな、と気づいた瞬間でした。
クリエイターに要求されるような想像力は求められることはない!
それは間違いないとして、全く想像しない、ということでは
なかなか勉強が進まないと思います。
そもそも、想像抜きの勉強って楽しくないと思うのですが、
そう思うのは私だけなのかもしれません・・・
(2009年6月)