ある小説の中に、小学校4年生の少年が、家庭内で起きた出来事を通じて
いろいろな悪い想像(妄想)をする場面が出てきました。
その妄想の内容を読み進めて私が感じたのは、以下のようなことでした。
少年の妄想が現実化する確率は、極めて低い。
しかし、極めて低い確率でもゼロではないから心配するのが「少年」であり、
確率が低いことを根拠に心配しなくなるのが「分別ある大人」なのであろう。
確率が極めて低くても、それが自分の身に降りかかってしまうかもしれない
と考えるのが少年なのであり、心配するから、妄想が更に広がってしまう・・・
少なくとも、自分の少年時代はそうだったように思う。
感じたことを上記のように文字にしてみて、更に考えてみたとき、
年齢とともに、妄想する能力が低下しているのではないか(分別と引き替えに?)
ということに気づきました。
一方、コンサルティングにおいては、「仮説および検証」が非常に重要、ということは
様々なところで語られています。
さて、その「仮説」をうち立てる能力というのは、「想像力と創造力」が重要だ、
と常々思っているのですが、
それらの源には、「妄想力」とも言うべき能力が後押ししている部分があるのでは
ないだろうか、と気づきました。
これに気づいたら、非常に楽しい気持ちになりました。
(妄想をもっと楽しもう、という単なる自己肯定でしょう。)
(2009年6月 作成)