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◎退職・独立への動機(2/2)

部下; 昨今のテレビゲームは、ストーリーが複雑化し、画質も向上し、
 ハードも進化することによって、制作工程は増える一方です。
 我々メーカも、発売延期がある意味では当たり前の感覚になりつつあります。
 我々は麻痺し、多くのファンも半ば諦めてくれているけれど、
その麻痺と諦めがなければ、防げた事件かもしれませんよね。

上司; お前がこの仕事を辞めたら、発売延期が無くなるわけではなかろう。
 むしろ、お前を失ったら、ますます発売延期が多くなる、というのは大げさかな。
 それに、これからどういう仕事をしようというんだ?
 そういう考えなら、ライバルメーカだって状況は同じだろうし・・・

部下; 著作権法の同一性保持権の問題をクリアする必要があるのですが、
 Fシリーズの派生ストーリーとか、エピソード集とか、
 裏ストーリーのようなゲームを自作して、ネット販売することを考えています。
 発売延期が発表されたタイミングで、そういう裏ストーリーゲームが提供されれば、
パラノイア達の暴走を食い止めるのに、一役買うはずです。
 
上司; なるほど、ニーズもあり、お前の能力ならそのニーズには応えられる。
 それなら、お前が食うには困らんかもな。
 米国の銃規制の議論に似ているが、
 今更、テレビゲームの無い社会に戻すことは不可能だろうし。

部下; 社会貢献、というと大げさかもしれないけれども、
 自分の能力でできる、最大の社会貢献だと思うんです。
 ご理解いただき、辞表を受理してください。

(2009年6月 作成)