技術が売りの中小企業やベンチャー企業で時々起きるお話。
技術者が辞めたから、特許出願書類の発明者から削除してくれ、
という要望が舞い込んできます。
その要望が総務部門の方から出ている場合には、
発明者というのは発明したという事実に基づいた記載なので変更できない、
と丁寧に説明させていただければ、だいたい解決します。
しかし、社長直々に要望が出ている場合、
丁寧に説明させていただいても、解決しない場合があります。
辞めていったあんなヤツの名前を残しておくのはけしからん!
という一時的な怒りであれば、時間とともに収まる場合もあるのですが、
この後、権利主張でもされたらかなわん!
と言い出し、どれだけ丁寧に説明しても
法律(特許法の職務発明規定)がおかしいのだ!
とまくしたてられることもあります。
こうしたやり取りをする度に、
そんな分からず屋の下で働くのはごめんだ、
と、その技術者の方は辞めていったのだろうと想像するのです。
(2009年8月作成)