SE(システムエンジニア)の方は、単なるプログラマではなく、
コンサルティング能力が必要とされる、高度な専門能力の方々であり、
学ぶべきことが多い、と私は感じています。
そのため、SEの方とお話しする機会は、非常に楽しいです。
さて、ある組織内のSEとお話ししたところ、
以下のような愚痴をこぼされていました。
理論的には、私が提案する組織内コミュニケーションのシステムの方が
色々な面で合理的なはずでした。
しかし、私の上司は、本組織の政治的な関係を重視するあまり、
私の提案したシステムを修正するように命じ、
結果的に、組織内の利用者には非常に評判の悪いシステムになってしまいました・・・
この話を聞いて、私は唖然としました。
能力の高い方が、このような形で、その能力を発揮できないでいる現実に。
しかし、そのSEとお話ししていて、私は以下のようなことにも気付きました。
彼の上司を納得させつつ、組織内にシステムをよりベターな形に持って行くための
駆け引きやプレゼンテーションには、注力した様子が彼の中に見えなかったことに。
組織内のシステム利用者が最大の顧客であり、その顧客のために仕事をするのだ、
ということを、
組織内の利用者に使い勝手が悪いシステムを作ってしまっては、
最終的にはお金の無駄遣いでもある、ということを、
もっと強く思っていれば、上司との交渉を、もっとできたのではないか、と。
そうした交渉から逃げてしまっては、良い仕事ができないこともあるのだな、
という、大事なことを学んだ機会でした。
(2009年8月作成)