あるセミナー講師をした後、50代の受講生から
先生(私のこと)のお話は、私の中で「予定調和」が無かったので
居眠りをする暇がなかったです。
という感想をお聞きしました。 彼が私に伝えたかったのは、
ああこの話は、この方向に持っていくのだな。
この話の〆は、ああいう辺りだな。
といった、「予想通りの展開」を全く見せなかったので、緊張感が保たれた、
ということかと思います。
このセミナーでは、ユニークなストーリー立てをしていたので、
私にとっての彼の反応は、「予想通り」というか、してやったり、だったのですが、
彼からは「予定調和」というキーワードを頂きました。
経験を積んでくると、どうしても会議の展開や交渉の行方など、
経験の中から似たような事例を記憶から引っぱり出し、
そうした記憶との調和を試みてしまう。
自分が講義を聴く立場であれば、
先入観や予定調和をしないように、
自分が講師の立場であれば、
予定調和の少しでも先へ(または脇へ)ずらしたストーリー立てを、
と心掛けたいと思います。
(2009年10月作成)