クライアント様の本当のニーズを引き出すためには、どうしても長時間を要する、
ということを実感しています。
これは、信頼を勝ち取るという私の能力が低い、という個人的な問題ではなく、
たいていの場合にそうであろう、と思います。
当然ですが、逆も真なり、ではないので、長時間を掛ければ本当のニーズを引き出せる、
という訳ではありません。
さて、単に長時間、相手に喋り続けてもらう、というのは困難です。
だからこそ、「仮説検証」という手法によって、
こういう仮説を立てたのですが、いかがですか?
角度や方向を変えた質問をしていく必要があるのだ、とも言えます。
とはいえ、仮説検証、といった手法によっても、そのほかの雑談力によっても
「本当のニーズや本音」を引き出すのは困難なことは多い。
となると、一緒に食事をする、お酒を飲む、というコミュニケーション手法は、
極めて重要になります。
知財コンサルティングを実践にて学ぼうという受講生の中に、
こうした「呑みにケーション」を嫌がる、軽視する方が増えてきているように感じます。
別に「呑む」必要は無い、という言い方をされるコンサルタントさんもいますが、
必要が無いと言い切れるのは、呑まなくても優れたコミュニケーションを行える方だけ、
という気がします。
『コンサルティングは案件が対象なのではなく、人間が相手なのである』
時間が非常に掛かる(お金も)、ということを気にしていては、
信頼獲得や、本当のニーズ把握は困難だと思います。
一緒に飲食する機会を何とか設定し、根気強く聞く、ということを大事にすべき、
仮説検証のための資料作りに時間を掛けるよりも大切、と考えます。
(2009年12月作成)