あるメーカの営業部署が
客先にサンプルを出したいから早く出願してくれ
と依頼しているのに、特許部が
サポート要件を満たすまでの実験データが揃っていない
として、出願を止めてしまいました。
当初から私は、
国内優先で補充するという手があるのだから、出願日確保を優先して
営業部署が自由に動けるようにしましょう
と、アドバイスしていたのですが、
サポート要件に関する事項が後の出願日になってしまっては
特許にならない可能性がある
という慎重な姿勢を崩さない特許部。
追加事項の記載部分の判断基準日がずれることで特許されない確率と
営業部署が活動を制限されることでの損失とでは、どちらが大切なのでしょう?
もう勝手にしてくれ!
と、営業部署の捨て台詞。
そして私には、以下のような嘆きを呟かれました。
「慎重な姿勢」の原因は、自分の仕事や責任の範囲を狭く捉え、
ビジネスのバランス感覚を失ってしまったことだ。
ベンチャー企業らしさがあっという間に失われ、大企業病に罹っている・・・
私にとっても、「哀しい仕事」となってしまいました。
(2010年5月作成)