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◎場違いな注文

 終電には余裕があるものの、夜も更けた駅中(えきなか)の立ち食い蕎麦屋。

 一杯飲んだサラリーマンが小腹を満たすために蕎麦をすするお店で、場違いなベレー帽の女性。

 私の隣で、蕎麦とご飯モノのセットをおいしそうに食べていた
その彼女が、店内を忙しく動き回る店員に一言。

   そば湯ください

 店内の客の目線が一斉に彼女へ集中する。
間髪入れずに、女性従業員(日本人)が答える。

   済みません、そば湯はやってないんです。

 そば湯を注文した彼女、その受け答えをした彼女。
 天晴れ!あっぱれ! と、二人に対して心の中で拍手をした。

    (2010年7月作成)