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◎人事評価という行動基準(2/2)

 S氏に私は、質問してみました。

   会社の人事評価を変えてもらうのは簡単ではないでしょうけれど、
   上司や部下と理解し合えば、何とかなるのでしょうか?

 S氏の話は続いていきましたが、私がその話の中から感じたことは、

   S氏は、自分の部下育成に覚悟を決めて取り組んでいる。
   それを許してくれる上司にも恵まれ、その覚悟に応えようとする部下もいる。
   それは素晴らしいことである。

ということ。しかし、S氏の言葉をじっくり聞いてみれば、

   このような事例の方が例外的であり、
   現実には、会社の人事評価という行動基準に沿った仕事に流れるのが一般的。

ということでもある、と気付かされます。

   上司や部下と理解し合うために、呑みに行ったりすることは重要でしょうね

質問とも言えないような問いかけにS氏は、

   現在の評価では、皆が自分のことに精一杯となるから、
   呑みに行ったりする機会は、ほとんど無いのです。
   私は、誘ったり行ったりしている方ですけどね・・・

 現在の若者が酒席を敬遠している、というステレオタイプのビジネス記事は、
真実を捉えてはいなかったのだな、と思うに至りました。

   上司と理解し合う、ということが人事評価にあるわけではない。
   とすれば、評価されることに懸命となるのは当たり前ではないか。

 「ドライになった」と評される裏側には、このような分かりやすい理由があったのだな、
と思いました。
 呑みに行きたくない訳ではないが、評価が下がらないように仕事するだけで目一杯・・・

   サラリーマンの自分には、評価システムまでは変えられないので。

というS氏の言葉に、持って行く先のない怒りとあきらめが見えました。

    (2011年6月作成)