S氏に私は、質問してみました。
会社の人事評価を変えてもらうのは簡単ではないでしょうけれど、
上司や部下と理解し合えば、何とかなるのでしょうか?
S氏の話は続いていきましたが、私がその話の中から感じたことは、
S氏は、自分の部下育成に覚悟を決めて取り組んでいる。
それを許してくれる上司にも恵まれ、その覚悟に応えようとする部下もいる。
それは素晴らしいことである。
ということ。しかし、S氏の言葉をじっくり聞いてみれば、
このような事例の方が例外的であり、
現実には、会社の人事評価という行動基準に沿った仕事に流れるのが一般的。
ということでもある、と気付かされます。
上司や部下と理解し合うために、呑みに行ったりすることは重要でしょうね
質問とも言えないような問いかけにS氏は、
現在の評価では、皆が自分のことに精一杯となるから、
呑みに行ったりする機会は、ほとんど無いのです。
私は、誘ったり行ったりしている方ですけどね・・・
現在の若者が酒席を敬遠している、というステレオタイプのビジネス記事は、
真実を捉えてはいなかったのだな、と思うに至りました。
上司と理解し合う、ということが人事評価にあるわけではない。
とすれば、評価されることに懸命となるのは当たり前ではないか。
「ドライになった」と評される裏側には、このような分かりやすい理由があったのだな、
と思いました。
呑みに行きたくない訳ではないが、評価が下がらないように仕事するだけで目一杯・・・
サラリーマンの自分には、評価システムまでは変えられないので。
というS氏の言葉に、持って行く先のない怒りとあきらめが見えました。
(2011年6月作成)