別のカテゴリにて、「人事評価という行動基準」というコラムを書き、
さらに、「経験を補う術はあるのか」というコラムでも登場いただいたS氏。
かなり重なりますが、この「知財コンサルティング」のカテゴリにて、
彼の熱い思いを取り上げてみます。
昨今の知財部門においては、知財の実務の目指す方向として、
効率的に、とか、経営に資する、とか、
そういったことが叫ばれるようになっているが、
基本スキルが疎かにされていないだろうか、とS氏は疑問を投げかけるのです。
「素振りなんてやらなくても、
要は試合に出てホームランを打てばいいんでしょ?」
という人はいない。 ところが、知財業務になると、
「明細書を自分で書くなんて経験をしなくても、
出願業務や権利解釈がキチンとできればいいんでしょ?」
という人は多いと感じる、とS氏は言います。
入社1~2年目の被教育期間中である部下に対しては、その教育期間の間だけでも、
一つ一つの仕事(=明細書の作成およびその準備)を丁寧にやって欲しい。
効率的に、とか、経営に資する知財、といったことは、
基本ができるようになってから(基本ができずに叫んでも空振り)なのだと。
私も、特許明細書の作成という基本スキルが、知財実務全般にも、知財コンサルティングにも重要、
ということを、繰り返し述べていますので、S氏の考え方には、非常に共感を覚えます。
(2011年7月作成)