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◎特許権の売買(失敗事例2/2)

 フェイスブック上で1/2と同趣旨のことを書いたら、友人弁護士から、

 『僕が破産管財人だったら,是が非でも誰かに買い取らせて所有させる(少なくとも財団放棄はしない。)。』

とのコメントがありました。

 しかし、コトはそんなに簡単ではないのです(というか、簡単ではなかったのです)。
 第三者が買い取る、というためには、倒産会社の特許権がどれだけの価値があるのか、
ということを評価しなければなりません。
 お金を出す合理性を第三者に対して客観的にしなければならないから。

 しかし、その評価には、少なくない人件費が掛かるのです。
(特許の価格は幾ら? という問題に多少でも関わった方には理解できるはず)
 その人件費を破産管財人に、出してくれますか?
と尋ねたら、
   出せない!
と言われてしまいました。
 破産している会社が、それ以上、経費を出せないということなのでしょう。

 そこで、第三者に買い取らせる、という案が没になり、
特許権の価値が分かっている2社へ交渉に行ったのですが、
1/2にて説明したとおりの結果となってしまったのです。

 特許を「無体財産」と呼ぶのは、価値が見えないからでもあるのです。

        (2011年10月作成)