特許事務所の所員が、仕事のために事務所へ姿を現すことを、「出所」する、と言います。
会社員の皆様は、「出社」という言葉を使うと思いますが、会社ではなく「事務所」だから
「出所」と言うのでしょうね。
さて、「出所」広辞苑を引いてみると、
a)(「出処」と書いて)出て仕えることと退いて野に出ること。
b)事の起こった所。出どころ
c)生まれたところ。出生地、生まれた境遇。
d)刑を終わって刑務所から出ること。出獄。
とありますが、
「特許事務所の所員が、仕事のために事務所へ姿を現す」という意味はありませんでした。
以前勤務していた特許事務所で、地下鉄の駅で同僚と以下のような会話を交わしたことがあります。
私 ;「今日、ボスの出所は?」
同僚;「11時に出所だそうです。」
私 ;「出所されたら、どこへ行かれるんでしたっけ?」
同僚;「事務所に寄ってから裁判所。」
私 ;「えっ、また?」
この会話が聞こえた周りの方には、「出所」はd)の意味に、
「事務所」とは怪しげな事務所に聞こえたのではないか、
(所長のことを「ボス」と呼んでいたのも悪いのですが)
と、その同僚と後で大笑いしたことがあります。
辞書に掲載されていない言葉を仕事で使う場合には、気をつけましょう!
(2012年3月作成)