同業の知人が勤務時代に事務所経営者から、
30万の仕事を15時間で仕上げるならば、君の時間給は2万円だ、
という言葉を聞かされたそうです。
私も、勤務時代に同趣旨の言葉を聞かされました。
2万円/時間
を意識せよ、という事務所経営者の言葉は、
仕事時間中にボヤボヤしてるんじゃないぞ
という訓辞として妥当。
当時も今も、それほど違和感なく聞くことができたと思います。
しかし、そうした特許事務所経営者の言葉を、今の自分が言うだろうか、
と考えると、躊躇します。
当然のことながら、30万円を売り上げられる仕事の依頼をしていただくための営業経費、
売り上げ後の事務管理費が計算されていません。
ということで、誤った「お金の感覚」を従業者に植え付けるという反作用が心配だから。
実は、こうしたことを理解できずに、
自分の働き分に対して、給与が少ないのでは?
という疑念、反発が「独立へのモチベーション」となった方は
特許事務所の業界には少なくないように思います。
10年前なら、独立後に「営業経費、管理費」が掛かることを学習しても何とかなりましたが、
今の時代に前述のような誤解のまま独立することは、悲劇に繋がります。
(2012年5月作成)