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◎企業内研修の講師という仕事(2/2)

企業内で行われる研修の講師という仕事に、「大学の非常勤講師」という肩書きが役立っている、
という面はあると思います。
 「講師というお仕事は、慣れていらっしゃいますよね」
と言われることは少なくないからです。

 しかし、大学の講師という仕事と、企業での研修講師の仕事とでは、
私にとっては質が大きく異なっているので、同じスキルだとは思っていません。

 この違いを一言で表すとすれば、「教育」における「教」と「育」との重みの違い です。

   学舎(まなびや)では、「育」=はぐくむ(伸ばす)、ということを重視すべきであり、
   企業では、「教」=おしえる(伝える)、ということを重視すべきである

と私は感じています(前者は亡き師匠の言葉であり、それに基づいた私の指針です)。
 一方、いずれにも共通する重要なことがあるとすれば、

   難しいことを易しく伝えること

ではないかと感じています。

 大学での非常勤講師の経験は、難しいことを易しく伝える、というスキルを磨くのに
非常に役立っています。
 社会人ならば「常識」という暗黙の了解で飛ばせることまでを、説明・解説しなければならないか、
易しい言葉に言い換えなければならないことが多いからです。

 さて、『企業内研修の講師という仕事』というテーマを、「知財コンサルティング」のカテゴリに
入れた私の意図は、どこにあるのか?
 知財コンサルティングにおける最重要テーマの一つが「コミュニケーション」であり、
講師という仕事には「一対多」のコミュニケーション能力が必要とされる、という点が共通しているからです。

     (2012年6月作成)