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◎部下育成という課題について(2/3)

部下育成という非常に大切な仕事が知財業界で疎かだった理由は、色々考えられます。

   専門性が高い仕事であると同時に正解が無い

という屁理屈というか、言い訳が存在していたように思います。

 部下育成という仕事は、属人的な面があることは認めるものの
ある程度のマニュアル化、システム化ができるはずです。
 また、ある程度の経験を積んだら誰もがやるべき仕事、でもあるはずです。

   この業界は特殊だから

というのは、よくある言い訳です。
 しかし、その言い訳が通用してきてしまった理由として、
弁理士資格を取得することが、独立開業の権利を取得することに等しかった時代には、

   教えるとバカを見る(辞められてしまうから)

と考えられていたのでしょうか。

 一方で、部下育成に長けたヒトが、自らの仕事をマニュアル化、システム化する、ということに
チャレンジする余裕はなかったようにも想像します。
 育ったと思ったら、辞められてしまう。
だから、また一から別のヒトを育てなければならない、という状況だっただろうから。

 仕事が次から次へとあった時代には、辞めるヒトあれば、入るヒトあり。

   辞める以上にヒトを取れば良いんだ

という趣旨の発言を、特許事務所経営者の方々から聞いたことが何度かあります。
 そういう組織には、部下の育成、という文化が無いことでしょう。
 余裕のあった時代から、部下育成をシステム化することにチャレンジしてこなかったら
余裕が無くなった今の時代に、慌てて始めても間に合わない、うまくいかない・・・

   (2012年7月作成)