部下育成という非常に大切な仕事が知財業界で疎かだった理由は、色々考えられます。
専門性が高い仕事であると同時に正解が無い
という屁理屈というか、言い訳が存在していたように思います。
部下育成という仕事は、属人的な面があることは認めるものの
ある程度のマニュアル化、システム化ができるはずです。
また、ある程度の経験を積んだら誰もがやるべき仕事、でもあるはずです。
この業界は特殊だから
というのは、よくある言い訳です。
しかし、その言い訳が通用してきてしまった理由として、
弁理士資格を取得することが、独立開業の権利を取得することに等しかった時代には、
教えるとバカを見る(辞められてしまうから)
と考えられていたのでしょうか。
一方で、部下育成に長けたヒトが、自らの仕事をマニュアル化、システム化する、ということに
チャレンジする余裕はなかったようにも想像します。
育ったと思ったら、辞められてしまう。
だから、また一から別のヒトを育てなければならない、という状況だっただろうから。
仕事が次から次へとあった時代には、辞めるヒトあれば、入るヒトあり。
辞める以上にヒトを取れば良いんだ
という趣旨の発言を、特許事務所経営者の方々から聞いたことが何度かあります。
そういう組織には、部下の育成、という文化が無いことでしょう。
余裕のあった時代から、部下育成をシステム化することにチャレンジしてこなかったら
余裕が無くなった今の時代に、慌てて始めても間に合わない、うまくいかない・・・
(2012年7月作成)