小学生時代に陸上競技をしていた自分の息子が、自分が学生時代に夢中になったバレーボールに転校したいと言い出した。
ところが、進学先の公立中学校に、男子バレーボール部がない。
あんたがやりたいなら、お母さんがバレー部を中学に作らせる!
そう宣言し、学校サイドと交渉し、実現してしまった主婦がいました。
自分の息子が関わろいうという段階になって、所属先がない。
そういう現実を打開して、未来を切り開く、という行動力は素晴らしいと思いました。
公立中学という組織を動かす困難さは、「大人」になってしまうと想像できてしまう一方、
彼女が交渉学を学んでいたとは考えにくい。
ビジネスではないからこそ、情熱が通用した、とも言えるかもしれません。
しかし、彼女が交渉学を学んでいたら、交渉が巧くいってバレーボール部が設立されたとは思えません。
全ての交渉に「情熱」が必要とは思いません。「情熱」は邪魔になることさえあるでしょう。
「情熱」がプラスに作用するのは、きっと「誠実」に結びついた時であり、
マイナスに作用してしまう時は、きっと「拘りによる創造性欠如」のような気がしました。
(2012年8月作成)