弁理士試験の合格率が上昇したことによって、試験を指導する講師のレベルが下がる
という、私がおそれていた事態がかなり進行しているようです。
合格率が低かった時代は、「合格レベル」と「指導できるレベル」とが近かった。
つまり、指導できるほどのレベルになれないと合格できないのではないか、という不安から
そういうレベルを(結果としてですが)目指して殆どの受験生が勉強していたのです。
しかし、合格率が上昇したことで、指導できるレベルに遙か及ばなくても合格してしまい、
指導者に回っている、という事態になっています。
劣化した指導者に指導された受験生が、合格者数や合格率の維持の政策で合格してしまう。
悪循環が始まっています。
合格しても仕事がない、という合格者がアルバイト感覚で指導者に回る、
という確率がどんどん上昇しています。
(弁理士としての仕事に就ける合格者に比べて、仕事がない合格者を比較したら、
指導者レベルに達している確率として低い、ということを前提にしていますが)
お断りしておきますが、合格率を下げよ、とか、新規の弁理士数を減らせ、
といったことを論じたいわけではありません。
勉強していく上で、良い指導者に巡り会えるかどうかは、本当に大切なのです。
良い指導者に巡り会う、というための情報収集や判断力の鍛錬は、怠ってはならない、
と申し上げたいのです。
(2012年10月作成)