コンテンツにスキップするには Enter キーを押してください

◎正当な主張のゆくえ

 俺は、プロのイラストレータ。ある地方自治体からの依頼で、「ゆるキャラ」を依頼された。
同業者には、法律や契約がからきしダメというのが多いが、
私は法律や契約、著作権法にも詳しい、珍しいイラストレータである。

 依頼された「ゆるキャラ」は、猫をモチーフにして地名と合わせた「かなニャーゴ」。
ネーミングもばっちりだ。
 だが、地方自治体の担当者という連中は、著作権法を全く分かっていない。
 俺が描いた「かなニャーゴ」のしっぽを、断りもなく二倍以上の長さにしたり、
ひげの色を変更してしまった。
 俺が納品したポーズは3種類。
ぬいぐるみやキャラクターグッズも、この3種類に限る、という契約だったのに、
俺が知るだけで12種類も出回っている。。。

 同一性保持権については、契約書に条項がなかったのだから、
俺に断り無く改変するのは、契約違反である。

 現在の日本、地方の自治体が自ら稼いでいくには、「ゆるキャラ」は非常に重要だ。
「ゆるキャラ」だけではない。著作権法に関する知識は、絶対に必要である。
地方自治体が著作権法や知的財産に対してもっと関心を持つため、
いわば、世のため人のために、裁判を起こそう。
 そうすれば、気付いてくれるくれる公務員もいるだろう。
イラストレータの地位も向上するはずだ。
 世の中を目覚めさせ、正しく導くための手段なのだ・・・

 しかし、提訴したら、

   アイツ(俺のこと)、イラストレータとしての腕はいいけれど、
   何かと面倒を起こすから、アイツに仕事を出すのは躊躇する、、、

ってなことになるだろうな。
 今後、全く仕事が来なくなったらどうしたものか。。。
 見えないリスクと俺が戦っていることを、はたして誰が知っているというのか?!

     (2012年11月作成)