先日、税理士をしている大学の先輩から、
『特許出願中、と表示のある商品について、同一方式で別名称の商品を売り出せるのか』
という質問を頂戴しました。
こういった質問の場合、法律論、一般論で回答したらよいのか、
具体的な事案を抱えての質問なのか、を見極めなくては、
先輩の質問に対する的確な回答にはなりません。
そこを確認すると、「一般論で良いのだ、興味があったから質問したのだ」
ということだったので、以下のように回答しました。
X社の製品に関する「出願中」が特許になる前であれば、Y社が同一方式の商品を別名称で売り出しても
X社が「特許」を理由にY社の製品を止めろ、と言うことは、多くありません(業界によって異なります)。
法律的には、特許が成立する前は「仮の権利」と呼ばれる権利があるのですが、
この権利を使うのは勇気がいるから、この権利を使う業界はあまりないのです。
しかし、Y社がまともな会社(コンプライアンスのある会社)であれば、
X社の出願中の特許を調べて明らかに特許にはならない、という確信がない限り、
同一方式の商品を別名称で売り出すということはしません。
『業界によって異なります』、『まともな会社』といったワードを入れることで、
具体的な事案には臨機応変が必要である、というニュアンスも伝えることができたのではないか、
と考えています。
(2013年1月作成)