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◎特許権利者による公を思う気持ち

 大学で誕生した発明(クリーンエネルギに関する)が特許され、
発明者たる大学教授が以下のような趣旨の発言をしていました。

   わずかな使用料で多くの企業に使ってもらうことで、各地域の活性化につなげたい

 この発言を聞いて、私は以下のようなことが心配になりました。
 2000年くらいまで、国公立大学の特許は、専用実施権の設定、ライセンス、譲渡などに制限がありました。
要するに、ライセンスは一社独占はダメで、通常実施権でなければならない、ということです。
 一方、企業としては、「独占」に魅力があるからライセンスして欲しい、というモチベーションで動きます。
これが、大学の特許が活用されない理由の一つになっていました。

 現在の国公立大学の特許は、通常実施権でなければならないという制限は法改正にて外れています。
 上記の大学教授の公を思う気持ちは理解できるのですが、
企業側に立った舵取りも考えないと、2000年以前に逆戻りしてしまうのではないか、と少し心配になりました。

 ライセンス実務を担当する方が、発明者の気持ちを理解しつつ上手に舵取りをして下さることを願います。

   (2013年1月作成)