知財コンサルティングの実践する(実行して成果を出す)難しさのひとつが、
前回のコラムのような例において、組織を動かしたり変えたりする合理的な提案をすることです。
提案内容には、誰かの仕事のやり方を変更する箇所、増える仕事が必ず出てきます。
仕事のやり方を変えろ、と言われて、ハイ分かりました、となるでしょうか?
仕事のやり方を変更させられたり、仕事が増えることを、喜ぶヒトはいるでしょうか?
喜ぶ、というところまで行けなくても、容認できる、というところまで提案(して実行)できないと、
ナンにもならない(知財コンサルティングにはならない)。
容認して動いてもらえるレベルの智恵が出ない場合、
仕事のやり方の変更や追加の仕事が如何に重要なのか、
社長さん(*)に納得してもらって、トップダウンでお願いしますよ!
ということに落ち着きます。
(*中小企業の場合には「社長さん」ですが、大企業ならば「部長さん」クラスか)
コンサルティング(知財に限らず)において「社長さんを説得する」ということがゴール(近道)である、
ということは、経験的には「その通り」と言えますし、正解の一つであることは間違いありません。
しかし、何度かの経験をすれば、「社長さんを説得する」ということの難しさも体感します。
仕事のやり方を変更することを嫌がるのが現場の大半であるように、
他人から説得されることを嫌がるのが会社経営者の大半ですから。
あの会社、ダメだぁ。社長が分かってくれないんだもの
と、愚痴をこぼす・・・しかし、その愚痴は、
説得ではなく納得して動きたくなるような提案
そこまでのレベルにできなかったという、智恵不足の自分への愚痴にしかなりません。
(2013年3月作成)