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◎慧眼について

 メーカのエンジニアから公的なプロジェクトへ身を投じた後、
大学の研究者やNPOの役員を兼任されることとなった方と、
二人きりで長い時間お話をする機会を得ました。

 大学の研究者として、あるいはNPOの役員として、
政府のプロジェクトでの苦労話をさまざまお聞きすることができました。
 科学的に正確で、世の理屈(税金の効率的効果的運用など)にも正当妥当なことを、
行政の担当者に述べた。でも、何も変わらない、変えて貰えない。
「ご意見、承りました」と返されるのみ。
そのことに苛立ち、葛藤されたご様子でした(抑えながら話して下さいましたが)。

 その中で最も印象に残ったのが、

   慧眼(の必要性)

という言葉でした。

   慧眼をもって世の中を見て、変えて行かなくては大変なことになるのだが、
   行動、実行して貰うのは、政治家とならざるを得ない。
   とすると、慧眼をもって政治家になっていくような人を育てるしかない

と、彼は仰っていました。続けて、

   大きな事をなし、それを安定させ安心できるようにしていくために、
   ある程度の規模の組織が必要になる。
   この組織が時代の変化によって弊害を生むが、簡単には再構築できない。
   安定させるために設計されているから。

と仰いました。

 書き言葉にしてしまうと、どこかで聞いたような話になるのですが、

   慧眼の持ち主 × 強いリーダー

という人でなければ、世の変化に対応した社会はできないのだ、ということを
改めて感じたのでした。

   (2013年4月作成)