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◎商標使用者の自己責任

 ある社団法人の看板を見た知人から質問がありました。

 その看板は、上から順に、
 『グキッといったら接骨院』というキャッチフレーズと、
包帯を腕に巻いて、4本指を握って親指だけを立てているイラストと、
そのイラストの下に、社団法人の名前、が並んでいます。

 質問者は、「グキッとなったときに、親指を立てるって変じゃないか?!」、
不快感を抱くヒトが多いのではないか、という懸念があり、
それを法的に規制しなくて良いのか、というのが質問の趣旨でした。

 結論を言えば、規制は無いでしょう(少なくとも商標法や知的財産関係の法律では)。
 「グキッとなったときに、親指を立てるかよ?!」というような不快感を抱く方は、きっといらっしゃる。
しかしそれは、その社団法人 が評判を落としたり、社会的な批判(あるいは社会的制裁)がなされる。
自己責任ということで(放っておけは)良いじゃないか、ということですね。

 が、本件の質問に答えつつ、実感したこと。
不快感を覚えるような表示に対して、法的な規制を潜在的に求めるヒト(日本では)が少なくないであろう、ということ。
 時に廃止論が出ると聞く 商標法4条1項16号(品質誤認の虞がある商標は拒絶する)ですが、
本件を通じて、廃止しないほうがよいのだろうな、と思いました。

     (2013年6月作成)