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◎商品との関係を見落としたニュース

 登録商標に関するニュース記事を見かける機会が、とても増えてきました。
しかし、書いているライターさんがきちんとした知識がないと思われる記事も、まだまだ多いと感じます。
 誤解を産み、合理的ではない批判のウェーブを形成してしまいそうな記事の典型は、

    「マーク」×「商品(サービス)」=「商標」

である、という点から、「商品(サービス)」の視点が欠けてしまっているものです。

 わかりやすい例として、(随分前になりますが)
 漢字圏の隣国で、日本人や日本企業とは無関係な企業や団体が「青森」という商標を登録した、
というニュースがありました。

 この事件では、登録商標に係る指定商品が何であるかを抜きに、議論はできないのです。
つまり、指定商品が「リンゴ」であれば問題であるし、「ミカン」であれば問題ない(ゼロではないですが)のです。
 リンゴは青森の特産品である一方、青森ではミカンは生産されていないのだから。
(このときのニュースにおいて、指定商品への言及がなかったということではありません。)

 誤解を生む記事の典型としてのもうひとつは、

   マーク(標章)とネーミングとをゴチャゴチャにしている

というものです(長くなるので、本コラムでは割愛します)。

 何れの誤解も、専門家として、根気強く広報していかなくてはなりませんね。
(同業者の皆様、根気強く頑張りましょう!)

     (2013年7月作成)