コンサルティングという仕事では、人前で話をするというスキルが大変重要です。
人前で話をする(発表する)、という仕事は、緊張を伴います。
この緊張は、慣れてくると大抵薄らぐわけですが、
「要するに、慣れなんだよ。」というアドバイスをしても、慣れていない人には何の役にも立ちません。
しかし現実には、上記のようなアドバイスをする先輩は少なくないのです。
私も、先輩にはそうアドバイスされ、腹立たしかったことを記憶しています。
そこで私は、異なる方向から述べてみます。
心理学の本で見つけたのですが、緊張が発生するメカニズムとしては、
自分の理想の姿と、人前での現実の姿とのギャップを想像することで緊張する
とのこと。
とすれば、緊張しなくなる(緊張が薄らぐ)、ということは、
ありのままの自分以上を見せようとしなくなった、ということになります。
これを踏まえ、具体的な、緊張が高まってしまう場面を想像してみましょう。
上手にスラスラと説明している、という理想型と、
スラスラいかなくなってしまった際のギャップを認識した途端、緊張が高まる・・・
続いて、セミナーを聴きに来た方から質問される場面も想像してみましょう。
「自分が知らないことを聴かれたらどうしよう・・・」と思っていたら、緊張が高まります。
(セミナー講師なのだから、何でも答えられなければ、という理想型があるからでしょう)
「自分が知らないことは、答えようがない」と思えれば、さして緊張しないはず。
これは、「開き直り」と一般には称されるのですが、
私は、ありのままの自分以上を見せようとはしていない(しなくなった)からだと考えるのです。
(2013年8月作成)