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◎地域ブランド育成における失敗分析(4/6)

 「売れる商標の採択」という段階を不十分なまま、次の段階へ進んでしまう理由として
公務員が法的リスク回避ばかりを考えているからだ、と非難するのは、少し短絡的です。
 実は、「売れる商標の採択」という段階が不十分なまま、次に進んでしまう理由があります。
それは、プロジェクトメンバーの立場や背景が多様である、ということです。

 一企業であれば、組織としての利害は一致していますし、一致させるべくリーダ(社長)がいます。
ところが、地域興しプロジェクトの場合、利害が一致していない。
 滅私奉公の精神で強いリーダシップを取れるリーダがいる場合も、多くはないでしょう。
農業従事者、販売業、飲食店経営者など、様々な職業のメンバーが居るからです。
 地域を活性化しよう、という大きな概念としての利害は一致しているのですが、
どんな消費者をターゲットとすべきか、といった議論をしようとしても、メンバーの利害を一致させられない。

 利害を一致させるのに時間が掛かるから(あるいは、大まかな利害が一致できそうな)、
「無難なネーミング」を早い段階で決定して、(標準文字でのマークとして)出願を済ませよう、
というように、動き始めてしまうことになります。

 「無難なネーミング」とは、たいてい「個性を薄められたネーミング」です
(私が耳にしたモノは、大抵そうでした)。

   無難なネーミングを議論している最中、候補に挙がるのが、
   「それは地域団体商標としての出願でないと、登録できないそうもない」という候補 です。
   無難なネーミングは、識別力が弱い、という致命的な欠陥を抱えています。

 識別力が弱い、無難なネーミングのマークを使って、売れる商品を企画、販売することは、
「商品の個性」に大きく依存することになり、プロジェクトは難しい舵取りになっていきます。
(「難しい」のですから、失敗してしまう確率が上がっていくのです)

    (2013年9月作成)