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◎日本のイノベーションを阻む習慣

 「知的財産」ということに日々関わって仕事をしていると、
イノベーション、起業、といったキーワードに行き着く場面が多々あります。

 同業者のS氏が、ある機会に

  日本は減点主義であり、広い意味でのイノベーションを産む土壌がないのでは、

と問題を提起されました。 これに対して、私は、

  まず、懸念点の発生確率の提示(この確率を提示することでも、その根拠が曖昧だとたたかれる(笑))、
  次に、懸念点の深刻度、緊急度、拡大可能性 を提示する。
  そうした習慣ができてくれば、「失敗に対して寛容か否か」という辺りから抜けられるのではないでしょうか。

と発言しました。
 単純な「減点主義」というのではなく、リスク分析やそのマネジメントが苦手、という点に問題があると、
常々考えていたからです。
 更に私が考えたのは、
  判断する主体がリスクマネジメントの知識やその知識に基づく実際のマネジメントができるかどうか、
であり、
  イノベーションに関する投資家や経営者が判断主体ならば、彼らの素養にかかってくるのでは、
ということでした。
 判断主体そもそもが誰なのかあいまいだったり、判断主体が政治家だったりする場合には、
リスクマネジメントの知識が欠如した人か(大いに)関係してしまう、ということになる。
 その結果、イノベーションを産む土壌 がやせ細ってしまうのではないか。

 「啓発」という情報発信の際には、
懸念点(リスク)の発生確率やら深刻度、緊急度などを、具体例を交えて発言提示し、
日本人の習慣(思考の技術)を少しずつでも変えていきたい。そう思いました。

   (2013年10月作成)